オンラインで売る

ハワイから自社製品をオンラインで販売したい。
オンライン販売の流れをシュミレーションして、考えておくべきことをまとめてみました。

マーケットの設定

オンラインでの販売を考える上で、誰に販売するかということをまずは決める必要があります。

アメリカ本土に売るのか、日本に売るのか、それによりシステム要件が大きく異なります。

アメリカに売る

アメリカに売る場合は、サービスの基本言語は英語、場合によってはアメリカの人口の17%を占めるスペイン語を追加してもいいかもしれません。決済通貨は米ドルです。決済方法はクレジットカード、Paypalのいずれかとなります。発送方法はUSPS(郵便)かUPS(宅急便)の利用となります。納期は航空便で送れるものは2日〜、大きなものは船便となり2週間〜と言ったところです。
米国内の流通を考えると生鮮食料品はハードルが高いです。サイズ重量が大きいものも送料の問題から難しいでしょう。

  • 言語: 英語(スペイン語)
  • 決済通貨:米ドル
  • 決済方法:クレジットカード、Paypal
  • 発送方法:USPS、UPS
  • 納期:航空便2日〜、船便2週間〜
  • 販売しにくいもの:生鮮食料品、サイズや重量が大きいもの

日本に売る

日本に売る場合は、サービスの基本言語は日本語。決済通貨は米ドルもしくは日本円。決済方法はクレジットカードかPaypal。発送方法はUSPSが基本です。場所によっては、追加で日系の宅急便が利用できるかもしれません。納期は航空便で送れるものは5日〜、大きなものは船便となり4週間〜と言ったところです。国境を超えて送ることを考えると食料品は難しいですし、サイズ重量が大きいものはとんでもない送料がかかることになってしまいます。

  • 言語: 日本語
  • 決済通貨:米ドル、日本円
  • 決済方法:クレジットカード、Paypal
  • 発送方法:USPS、日系の宅急便
  • 納期:航空便5日〜、船便4週間〜
  • 販売しにくいもの:食料品、サイズや重量が大きいもの

プラットフォームの選定

カタログ

原始的ですが、紙のカタログを配布し、カタログを通して受注するという方法があります。莫大な印刷、配布コストがかかります。
在庫数、新製品、修正などへの対応もほぼほぼできません。

配布先については、個人情報の管理が厳しい昨今、まずどの様にして顧客情報を得るかというのが問題になります。

オンライン販売への誘導媒体としては意味があるかもしれませんが、コストパフォーマンスは著しく高くはありませんね。

  • コスト:高い
  • リーチ:オンライン以下?
  • 費用対効果:低い
  • 日本語対応:可

自社Eコマースサイト

次に定番として自社Eコマースサイトを立ち上げる。もしくは、自社サイトにEコマース機能を組み込むという方法があります。

いずれの場合も、Eコマース機能を実現するには、多大な投資が必要です。自社開発するのはあまり現実的ではありません。また、通信保護のためにSSL接続を導入する必要があります。

すでに自社商品への認知度があり、自社サイトへの訪問者がある程度いる場合は有効でしょう。

  • コスト:高い
  • リーチ:自社サイトへの訪問者次第
  • 費用対効果:低い
  • 日本語対応:可
  • WooCommerceなど

Eコマースプラットフォーム

既存のEコマースプラットフォームを利用し、サブドメインで自社サイトと統合するという方法もあります。

abc.comというドメインの場合、store.abc.comというサブドメインを設定し、store.abc.comへのアクセスはEコマースプラットフォーム側で処理することが可能です。

導入部分では多少のコストがかかりますが、月々数十ドル〜の費用で導入が可能です。決済部分もある程度統合されていますので、指示通り設定するだけで、本格的なEコマースサイトを開設できます。

ある程度の集客がある場合は有効でしょう。

  • コスト:初期=中、ランニング=低
  • リーチ:自社サイトへの訪問者次第
  • 費用対効果:中
  • 日本語対応:可
  • BigCommerce, Magento, Shopfyなど

AmazonやEbay

AmazonやEbayで販売する場合は、Eコマース部分を開発する必要がないため、極端に低い費用での開始が可能です。

それぞれのサイトを訪れる膨大な顧客にリーチできるというメリットもあります。自社サイトへの訪問者とは異なるため、双方のサービスを利用することにより、補完することも可能です。

決済や発送の流れも統合されており、場合によってはアウトソースすることも可能です。

ただし、同様の商品を他社が扱っている場合は、価格競争となってしまうため、ハワイからの発送はハンディを抱えることになります。

  • コスト:低
  • リーチ:膨大な顧客層にリーチできる
  • 費用対効果:高い
  • 日本語対応:ほぼ不可

販売する商品、ターゲット層により最適なEコマースを選択し、運用しましょう。

送料について考える

ハワイから商品を発送する場合、USPS(郵便)はそれほどでもありませんが、宅急便は非常に高くつきます。また、プラス1〜2日の納期が余計にかかります。

他社の同様の商品と比較された場合、ここがマイナス要因と成り得ます。

アメリカ本土からの荷物が増えてきた場合は、本土ににディストリビューションセンターを持つことを検討する必要があるでしょう。