採用サポート
ハワイで求人-スタッフを採用する際の要点をまとめました。
採用計画
フルタイムとパートタイム
週40時間以上勤務する従業員をフルタイム、週40時間未満をパートタイムと定義します。
企業によっては、フルタイムに有給休暇や傷病休暇などをオファーすることがあります。
オーバータイム手当
週40時間以上の勤務時間については、基本時給に加え、基本時給の5割をオーバータイム手当として支払う必要があります。
給与を抑える為には、勤務時間が40時間以下となるよう調整する事がのぞましいです。
管理職
管理職については、週40時間以上勤務した場合でも、オーバータイム手当を支給する必要はありません。もちろん、その分を見込んだ、給与額の設定が必要となります。
健康保険
勤務時間が週20時間を超える場合、雇用主は従業員に対し、健康保険を雇用主の負担で提供しなければなりません。
健康保険は民間の保険会社が提供しています。保険会社により保険料は異なり、$150-$500となっています。保証内容も会社により異なります。
勤務時間が20時間以下になる様に調整出来れば、健康保険の経費を節約することが出来ます。
従業員比較
管理職 | フルタイム | パートタイム | |
---|---|---|---|
勤務時間 | 制限無し | 40時間以上 | 40時間未満 |
オーバータイム | × | ○ | ○ |
健康保険 | ○ | ○ | ○週20時間以上 |
福利厚生 | ○ | ○ | × |
トレーニングプログラム
なるべく早い段階で、 従業員のトレーニングプログラムを作りましょう。現地従業員はベースとなる、教育、思想、感覚が日本とは異なります。
業務を手順を追ってトレーニング出来る様にしておく事をお勧めします。
採用条件
資格、ライセンス
職種によっては、政府のライセンスが必要なものがあります。
不動産売買、エステ、マッサージ、ネイルなど
既にライセンスを持っているか、近々取る予定でないと採用出来無い職種があります。
勤務時間と採用人数
勤務時間は、まず営業時間を元に、全体ののべ勤務時間を算出します。
のべ勤務時間を、フルタイム、パートタイムを使って、埋めていく事になります。
週20時間を超える場合、健康保険の提供が、週40時間を超える場合は基本時給の1.5倍のオーバータイムを至急する必要があります。なるべく、保険やオーバータイムが出ない形で、採用人数を考えます。
給与
ウェイター、ウェイトレスなど、チップの期待出来る職種は、最低時給+チップとしている所も多くなっています。
2014年現在、ハワイ州の最低時給は$7.25です。これが、2018年に10.10となる様、2015年から徐々に上がっていきます。
提示する給与額はこの最低時給を超えている必要があります。
試用期間
採用してから一定期間を試用期間として設け、その間のパフォーマンスを見て、最終的に本採用を決定することは一般的です。
試用期間は通常1ヶ月程度、この間は解雇は自由なのが一般的です。また、本採用時に、ポジションや給与額を変更する事もあります。
福利厚生
有給休暇以外に、傷病休暇、慶事・弔辞休暇などについて、一部または全部を有給扱いとする事は一般的です。
また、ある程度の数の従業員がいる企業では、退職金制度も提供する事があります。
いずれも、フルタイムにだけ適用し、パートタイムには適用しない事も可能です。
雇用契約書
雇用後のトラブルを避ける為にも、予め雇用契約書を作成し、採用時に、従業員の署名を得ておく事が望ましいです。
就業規則
雇用後のトラブルの際の判断を明確にするため、勤務時間、服装、休暇、遅刻、欠勤、処罰などを、就業規則(カンパニーポリシー)にまとめておく事をお勧めします。
掲示物
平等な雇用、最低時給、労災や廃疾保険など、従業員の権利について案内する書類を社内で掲示する事が義務づけられています。
採用面接
採用のプロセス
通常は
- 求人広告を出し、
- 応募者から履歴書を提出してもらい、
- 面接を行い
採用を決定します。
差別の禁止
米国では、人種、肌の色、宗教、性別、出自、年齢による差別は禁止されています。
このため、履歴書には写真は添付されませんし、生年月日を各欄がありません。これらの事項については、本人からの自主的な申告が無い限り、面接の際も、採用後も質問する事が出来ません。
純粋に、学歴と職歴、人柄で採用を判断する事になります。
労働資格
米国では、労働資格を持つ従業員のみを雇用することが可能です。
労働資格はパスポートや、政府発行の書類で判断する事になります。
ライセンス
一部の職種については、ライセンスを持っている必要があります。
給与支給
締め日と支給日
ハワイ州政府の規定により、ハワイでは月2回以上の給与を支給する必要があります。給与は締め日から5日以内に支給する必要があります。
15日と末日を締め日とし、20日と翌月5日を支給日としている企業が一般的です。週末が支給日の場合は、直近の営業日に支給します。
支給方法はチェック(小切手)が一般的ですが、最近は口座振り込みも増えてきました。
税等
給与に関連する税等のうち、会社負担分となるものがあります。
- ソーシャルセキュリティ Social Security Tax
- メディケア Medicare
- 連邦失業税 Federal Unemployment Tax
- 州失業税 State Unemployment Tax
また、以下の費用も会社負担となります。
- 労働災害保険 Workman’s Compensation
- 廃疾保険 Temporary Disability Insurance
給与サービス
給与計算、支給については、公認会計士に依頼するか、専門の給与サービス会社に依頼する必要があります。
トラブル
懲戒・解雇
従業員が引き起こしたトラブルは、 就業規則にもとづいて判断し、処分する事になります。
就業規則を設けず、場当たり的に懲戒・解雇した場合、差別されたとして、訴訟となる事があります。
ハラスメント
セクハラ及びパワハラについても、 就業規則で禁止し、違反者は公平に処罰する必要があります。
特にセクハラは、従業員からの訴えが会った際に適切に対処しない場合、企業側の瑕疵となり、訴訟にまで発展した場合、懲罰的判断が下され、天文学的な賠償が必要となるケースもあります。
トラブルの予防
トラブルを未然に防ぐためには
- 勤務評価は従業員ごとに対処が異ならない様、就業規則に沿った判断をする。
- 従業員からの訴え、不適切な設備やルールがあった場合はただちに対処する。
- 従業員同士のトラブルは当事者双方から事情聴取する
といった事が必用になってきます。
訴訟に発展した場合は
速やかに弁護士に依頼しましょう。
適切な弁護士については、弊社から紹介させて頂く事も可能です。
人材育成
ビジネスの資源は人です。そこで働く人の質が、ビジネスの質に反映します。
良い人を確保し、育てて行く事が出来れば、そのビジネスは安泰でしょう。
目的の共有
ビジネスがチームとして最高のパフォーマンスを発揮する為には、スタッフ全員が目的を共有し、自らの頭で考え、動ける様になっていなければなりません。
機会があるごとに、ビジネスの目的をポジティブに共有する機会を持ちましょう。
くれぐれも、小っちゃな目的を設定しない事。
仕事を任せる
手取足取り指図していては、スタッフは萎縮してしまい、良い仕事が期待出来ません。
出来る限り、スタッフに仕事を任せましょう。また、任せる範囲を徐々に拡大していきましょう。
失敗のリスクはオーナーであるあなたがかぶりましょう。
人間関係
良い人間関係があれば、スタッフはなかなかやめることはありません。
より良い、職場環境になる様に気を配りましょう。
オーナーや管理職がポジティブな態度で、ポジティブな言葉を発しているだけでも、充分な効果があります。
また、誰もがオーナーや管理職に気軽に話を出来る雰囲気も大切です。
現場の意見を吸い上げる
実際にお客様と接している現場の意見は積極的に吸い上げ、業務内容の改善に役立てましょう。